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事務所通信
2020/03/03

法改正について

令和元年10月1日から特定一般教育訓練給付金制度が開始されました。
雇用保険の給付制度の中に、『教育訓練給付』という制度があります。これは企業に対する助成金ではなく、雇用保険被保険者に対する給付制度です。
個人がハローワークを利用するのは、失業期間中の求職活動や、失業給付の受給などが思い浮かびますが、被保険者(在職中)の方でも利用できるのがこの教育訓練給付金制度です。この制度は、厚生労働大臣が指定する研修・講座を受講する為に要した費用の一部を、被保険者に支給するというもので、『一般教育訓練給付金』、『専門実践教育訓練給付金』、そしてこの度新しく始まった『特定一般教育訓練給付金』の3つの制度に分けられます。各給付金の概要を下表に纏めてみましたので参考にしてください。

制度名称 主な
資格要件
キャリアコン
サルティング
給付内容 特徴
一般
教育訓練給付金
被保険者期間
3年以上
※初回は1年
不要 教育訓練経費の20%
最大10万円
対象講座には夜間や通信、短期間の講座もあり、在職者も利用しやすい。
NEW
特定一般
教育訓練給付金
必要 教育訓練経費の40%
最大20万円
対象講座には夜間や通信、短期間の講座もあり、在職者も利用しやすい。対象講座が限定的
専門実践
教育訓練給付金
被保険者期間
3年以上
※初回は2年
必要 教育訓練経費の50%
(最大120万円)
資格取得,就職に繋がれば20%(最大48万円)追加
対象講座は長期かつ通学の講座が多く、どちらかと言えば求職者向き

今回新たに運用が開始された『特定一般教育訓練給付金』は、ITスキルなどキャリアアップ効果の高い講座を対象に、厚生労働大臣が指定した講座で、主な対象講座は右側枠内に記した講座ですが、詳細については『厚生労働大臣教育訓練講座検索システム』で確認することが出来ますので『教育訓練 検索』で検索してみてください。
従来の『一般教育訓練給付金』は、教育訓練経費の20%(上限10万円)を支給するものでしたが、『特定一般教育訓練給付金』は、40%(最大20万円)に拡充されました。
ただ、会社が費用の一部を負担したり、合格祝金などを支払った場合、その金額を教育訓練経費から減額させなければならないなどの制限もありますので注意が必要です。また、10月に始まったばかり制度ですので、対象となる講座がまだまだ少ないのが現状です。これについては、毎年4月と10月に対象講座の指定が行われ、対象講座が拡充されていくかと思われますので、従業員のスキルアップを補助する制度の一つとして選択肢に入れていただければと思います。

大型・中型自動車第一種・第二種免許,普通自動車第二種免許,玉掛け・フォークリフト運転,けん引免許、介護職員初任者研修、介護支援専門員実務者研修、宅地建物取引士、税理士、社労士、自動車整備士、電気主任技術者等

 

ATTENTION!
現在、毎年4月1日時点で64歳以上の被保険者に係る雇用保険料は、事業主負担分と本人負担分の両方が免除されておりますが、この免除制度が令和元年度をもって終了します。
その為、令和2年4月1日からの労働に対する給与には、雇用保険料がかかってくることになりますので、給与計算の際には本人から雇用保険料を徴収するよう注意をお願いします。